作成日:2026/04/27
「合意」と「同意」の違いとは?
代表の中尾です。
いつもお読みいただきありがとうございます。
労働契約の場面では「合意」と「同意」という言葉が出てきます。
似ているようですが、わざわざ言葉を分けているということは、何かしら意味において違うと思われます。
私なりに検討した答えは、
「合意」・・当事者同士での交渉が存在することを想定した言葉
「同意」・・交渉は想定されておらず、単に当事者どちらかからの申し出に対して諾否を判断することだけを想定した言葉
というふうに分けられるということです。
「合意」が使われる場面としては、労働契約の成立の場面です。
労働契約は使用者と労働者がおり、対等の立場同士ですから、当然お互いに条件について交渉があってしかるべき場面です。
だから、労働契約は「合意によって成立する」とされます。
✽労働契約法
(労働契約の原則)
第三条 労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。
「同意」が使われる場面としては、変形労働時間制についての運用に係る規定で、過半数労働組合や労働者の過半数代表の「同意を得る」という言葉が使われています(労働基準法32条の4のAなど)。要は、使用者からの申し出に対して労働者が承諾するかどうかだけであり、交渉が生じることは想定されていません。ざっと見る限り、「合意」という言葉の方が多く使用されていると見受けますので、法律は、労使が活発にコミュニケーションしている姿を想定しているようです。そういう意味で、労働者ごと個別の事情や希望をよく確認しながら、お互いに一定程度の交渉を経て、どんな働き方にするかを双方「合意」することが、良好な労使関係の構築に資することが法律が発しているメッセージだと思います。労働基準法は戦後まもなく作られた法律ですが、こんな昔から、今言われているような「多様な働き方」が求められていたと思うと、時代が法律に追いついてきたので、法律に則るほうが使用者にとっても効果的と言うふうに言えるのではないでしょうか。