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【社労士ブログ】視点で際立つ
作成日:2025/09/22
社員が休職を希望する理由

代表の中尾です。
いつもお読みいただきありがとうございます。

何らかの理由でメンタル不調になった社員は、ほとんどの場合、休職を希望します。

中には一方的に診断書だけを会社に送りつけて、そのまま連絡もせずに休み続けるケースもあります。

先ず、基本的なことですが「休職」とは会社が命じなければスタートしません。
そもそもの意味は、「療養に専念することでまた元のように働ける見込みがあるので、その間は労働義務を会社が本人に対して免除する」ということです。

だから、休職期間中は給与を出さなくてもよいのです。

したがって、たとえ診断書があり、実際に体調がすぐれないとしても、本人が自分の意思で休んでいるのであればそれは「欠勤」です。

休職者への対応でお困りの会社から相談を受けたら、先ず今の状況が「欠勤」なのか「休職」なのかをきちっと区別するところから始めます。

ところで、みなさんは「疾病利得」という言葉をご存じでしょうか。

疾病利得とは、「病気になることによって、たとえば他人が優しくしてくれたり、金銭など現実的な利益を得られること」です。

休職の場合は、「傷病手当金」がもえらることや、仕事をしなくていい、もっといえば「嫌なあの人に会わなくていい」といった本人にとっての現実的な利益が生じます。いわゆる「失業手当」も場合により早くもらえることもあります。

今ではネットで休職のノウハウのような情報も豊富なので、そうしたところから疾病利得にあたるようなものを知り、計算の上で仕事を休む社員もそれなりにいるでしょう。

もちろん、傷病手当金には受給できる期間に限りがあり、その間、社会保険料の負担は続きますので利得と言っても短期的で必ずしも十分なものではありません。

しかし、本人にとってはとりあえず嫌なことから逃れられるという大きなメリットがあります。
心身の不調ですので、そのこと自体はそれ以上悪化させないためにはやむを得ない部分もあります。

あくまでもごく一部ぼ悪質なケースでは、「休職〜会社から復職不可の通知〜不当解雇として紛争〜解決金で終結」というストーリーを描いていることもあります。特に中小企業では休職者への対応に慣れていないので、そこをついてくることもあります。初めはそういうつもりはなくとも、会社の対応がまずく、それに対する不満が爆発して紛争に発展させるということもそれほど珍しいことではありません。

いずれにしても、社員が休職を希望するのは、療養とその先の復職を希望している場合ももちろんありますが、中には「疾病利得」だけが背景にある場合もあるということに注意が必要です。

休職させたのであれば、その先の「復職」がセットになります。
本人にはまずそのことを最初の段階できちんと伝えましょう。

そのうえで、復職に向けてのプロセスをきちんと踏み、復職の可否の判断がきちっとできるようにすることが休職者への対応のもっとも大切なポイントです。

そして、こうした対応を自社だけでなく外部の専門家や機関(産業医、地域産業保健センター、リワーク施設など)を活用しながら進めていくことで、紛争に発展しないようにすることも重要です。

弊所は休職者対応の支援を得意としています。
先ずはお気軽にお問い合わせください。