作成日:2025/03/31
経営者の関心はどこにある?
代表の中尾です。
いつもお読みいただきありがとうございます。
仕事柄、
中小企業の経営者とのやり取りが中心になりますが、
その中で気づいたことの一つが、
「経営者だからと言って必ずしも事業拡大を目指しているわけではない」
ということです。
一見関係ないことのようですが、たとえば個人が念願のマイホームを手に入れたとして、ほとんどの人はその後の関心がそのマイホームの「維持」が中心になると思います。経営者特に中小企業の場合は、会社と自分の生活が一体になっている場合が多いので、ある程度のところで事業への関心は「維持」に集中するようにみえるのです。もちろん生活と事業は性質が異なります。事業は景気やお客様との取引の解消のリスクを抱えているので、常に新規開拓をしておかなければなりません。一般には「既存顧客維持に7割、新規営業に3割」という感じで力点を置くことがいいとされています。一方で、
ある程度事業が回るようになれば、
それを維持すること以外にはあまり関心が向いていない経営者も多くいらっしゃいます。それが良い悪いではなく、そういうものと受け入れることが重要と思います。そうした現状維持に関心のある経営者であっても、維持のためには既存の社員への適切な人事労務管理は必要です。たとえば育児・介護・がんなどの病気治療と仕事との両立や、賃上げや労災事故防止のための取り組みといったものは事業拡大に関心があろうとなかろうと不可欠です。世間では「人的資本経営」や「ビジネスと人権」など大所高所の目線で経営が語られることが多いですが、どのように経営するのかは経営者の裁量一つです。生活と同じように「維持」を中心に経営をしていくことも立派な経営です。何に関心をもって、
何を目指して経営しているのかをちゃんと見極めることが、
社労士として必要な提案をしていくために不可欠だと常日頃感じています。初見のお客様と面談させていただくときには、先ずはそうした経営上の目線を合わせることに注意してお話を伺うようにしています。そうすることで、たとえば賃金制度をその会社にフィットするものに仕上げることができます。こうした点が弊所の特徴の一つです。気軽に何でも話せる社労士事務所でありたいと思っています。顧問のご契約までは考えていないということであっても、先ずはご相談いただければと思います。