作成日:2025/03/03
ジョブ型の導入にあたってのポイント
代表の中尾です。
いつもお読みいただきありがとうございます。
最近、あるところから「ジョブ型」の導入についてのご相談や執筆の依頼がありました。
日本では、
欧米のようなジョブ型は解雇規制や不利益変更の問題から導入が困難とされていますが、
労働条件を通常の正社員よりも限定したものにすることは比較的容易です。
従来は、
そうした社員は「契約社員」として有期雇用されるパターンがほとんどでしたが、
それを無期雇用にするようなイメージでお考えいただくとわかりやすいかと思います。
●職場は特定の事業所一か所のみとすること
●仕事は特定の業務に絞り込むこと
●職場や仕事は無限定だが労働時間が短いこと
その他にも様々な「限定の仕方」というものがあるでしょう。
また、
今回のご相談や執筆を通して、
ジョブ型の導入にあたって最も重要なのは「何のために」という目的であると気付けたことです。
たしかに、契約で定めた事業所や業務が無くなったら即解雇や減給でいいかといえばそれは困難です。しかし、社員の状況というのは定年までずっと変わらないわけでもありません。育児・介護・病気などで働くために割けるリソースが減少することもあり得ます。そんなときに「では退職してください」というのではお互いに不幸でしょう。今まで「100」の労働力が「60」になったら、残りの「40」を新たに非正規の方を採用することや業務改善でカバーすることが可能なこともあるはずです。発想としては「ワークシェアリング」や「BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)」ですね。このように、「(日本的な)ジョブ型」に加えて「ワークシェアリング」や「BPR」も加味した施策を採ることで、この人手不足の時代を乗り切っていけるように私は思います。そのためには「人事評価制度」「賃金制度」とその裏付けとなる諸規程の整備が必要不可欠です。特に諸規程(就業規則とそれに付随する賃金規程など)の作成は社労士の独占業務です。ぜひお気軽にご相談いただければと思います。