代表の中尾です。
いつもお読みいただきありがとうございます。
社長や管理職の方々にとって悩ましいことの一つは、
「どうすれば人をまとめられるのか?」
ということだと思います。
いわゆるリーダーシップの取り方ですね。
リーダーシップというとあいまいな感じになってしまいますが、
要は人の心の琴線に触れるような言動をすることで、
人の心を動かすことと言い換えるとわかりやすいと思います。
では、どうしたら人の心の琴線に触れるような言動がとれるのでしょうか。
ある本を読んでいるときに「内在的論理」という言葉が出てきました。
その言葉にこの問いについての答えを得たように感じました。
「内在的論理」というのは、
ある個人もしくは人の集団(組織、社会)の心の中に潜んでいる、
無意識的なものを指します。
たとえば、
「こういう場合にはこういうふうに行動するのがふさわしい」
「〜については・・・とすることが正しい」
といった理屈です。
大きく言うとその人や集団の中で通底している文化や価値観のことですね。
仲の良い友人同士の間には、そうした文化や価値観が「地下水脈」のようなもので通じ合っているので、
交友関係が続いているといえるでしょう。
この「地下水脈」を開通させるためにはそれなりの時間が必要なので、
ある程度時間をかけていくことで、
特定の個人や集団とのまとまりが自然と出てくるであろうことは想像がつきます。
このブログのタイトルに引き寄せて言えば、
「人をまとめるためには、ある程度時間がかかる」ということになるでしょう。
では、あまり時間をかけてもいられない場合はどうすればいいでしょうか。
そのときは、
宗教でいうところの「神」のような人の集団や社会の上にくるような存在(超越的存在)を置いてみることが有効だと思います。
会社でいえば「理念」や「パーパス」「社会的責任」といったものがそれにあたります。
これらは社長であってもそれに従わなければならないものです。
ここで気を付けなければならないのは、
社長や管理職自身が上記のような「超越的存在」となってしまってはいけないことです。
社長や管理職になられる方にはカリスマ性のある方が多いですが、
それに頼って人をまとめようとすると独裁的になったり後継者が育たないといった深刻な問題を引き起こしがちです。
カリスマ性を発揮できれば強力ですが再現不可能ですので、
長い目で見ると誰もが目に見える形で残すことのできる「理念」などを上に置きながら、
それに沿った言動を積み重ねていくことが大切です。
そうしているうちに、
同じ会社の者同士のあいだで「地下水脈」が開通して、
社内で「文化」や「社風」といったものが醸成されていくでしょう。
ここまでくれば、
上を見れば超越的存在としての理念などがあり、
下を見れば地下水脈としての共通の文化などがあるので、
その結果として人と人との強いまとまり(強い組織)が出来上がりです。
そうしたまとまりの中に潜む「内在的論理」をつかみ、
その会社にフィットする制度を作るお手伝いをすることを弊所では心がけています。
制度作りの8割はその論理をつかむための対話に費やしていると言っても過言ではありません。
そうしてできた制度は、
自然と運用も容易になります。
具体的な方法論について、先ずはお気軽にご相談いただければと思います。