作成日:2025/01/14
賃上げできる企業とできない企業の違いとは?
代表の中尾です。
いつもお読みいただきありがとうございます。
最近、
大企業を中心に新卒者の初任給を30万円〜40万円にするという報道がみられます。
私が新卒だったのはもう25年ほど前ですが、
当時で20〜25万円でしたので、時代の変化を感じます。
一方で、
なぜこんなに支給できるんだろうという疑問も同時に出てきます。
私の想像ですが、
それを可能にしたのが「働き方改革」だったと思います。
たとえば、
新卒初任給が25万円として、
毎月平均の残業代や住宅手当などを加味すると、
月間の総支給額が30万円前後になるというのは不思議なことではありません。
これが、
働き方改革によって残業が少なくなったり、
それに加えて、
最近のトレンドである男女間の賃金格差の是正などを背景にした家族手当などの属人的な手当の廃止、
さらに退職金の確定拠出年金に移行などで、
これまで支給したり積み立てていたお金を毎月の基本給に振り向けることが可能です。
そうすることで、
これまでと同じ(もしくは少しだけ高めに)お金で、
採用競争力のある初任給に仕立て上げたということではないかと思うのです。
賞与についても、
これまでより人事評価結果次第で厳しく支給額に差をつけることで、
原資は変えず分配を変えることで対応することもできます。
色々と書きましたが、
これらはみんな、
法律上の働き方改革もそうですが、
法律上義務ではないその企業なりの働き方改革を進めてきた企業でなければできないことです。
本来、
賃上げというのは売上・利益が増えない限り難しいものですので、
先に賃上げするのであれば、
分配を変えるしか方法はありません。
その変え方は、
そもそも既存の社員が理解・納得できなければ進めることはできません。
理解・納得を得るためには、
世の中のトレンドと、
公平性が重要です。
世の中のトレンドは、
働き方改革や男女間の賃金格差の是正、柔軟な働き方など。
公平性は、
成果やそれまでのプロセスをちゃんと評価する制度のありかたです。
また、
新卒や中途採用においては労働市場での賃金相場をきちんと把握し、
「これだけ出さなければ人は来ない」ということを説明できるようにしておかなければならないでしょう。
それと共に、
既存の社員の処遇も世の中の流れに合わせて見直さなければ、
新入社員の方が先輩社員より給料が高いという「逆転現象」が発生してしまいます。
売り上げが急に増えるわけではないので、
先ずは今のやり方・あり方を見直すことで、
社内にも社外にも説明可能な処遇にしていくことは十分可能です。
こうしてみると、
「働き方改革」は法的義務だからやるというのではなく、
いずれそれが自社のためになるという経営戦略上の施策として位置づけた企業がいち早く賃上げを実現し、
人材確保でも一歩進んだ結果を生み出しているのだと思います。
政府による働き方改革の説明の仕方は、
「社員の健康確保」
「過労死防止」
「生産性向上」
といったその先にあるもののイメージのわきにくいものですが、
事業の継続・発展という経営戦略と結び付けて考えれば、
自然とその先にあるものがイメージできます。
弊所ではそうした国の施策や法改正について、
単なる情報提供ではなく、
「結局何をすればいいのか」「それが自社にもたらしてくれるのか」をお伝えするようにしています。
今年も多くの労働関係の法改正が目白押しです。
改正が頻繁で内容も難しいので、
後を追いかけることもあきらめてしまっている事業者さんが多いと思います。
弊所にご相談いただければ、
実践的な説明をさせていただきます。
その中で、就業規則の見直しなども一緒にご相談いただけますと幸いです。
ぜひお気軽にお問い合わせください。