作成日:2024/11/05
役職定年制、定年制、定年後再雇用制のトレンドは?
大企業を中心に採用されている、「役職定年制」。
一般的には54才までに設定されており、55歳以降は役職を離れるうえ、昇給も無くなり、退職金の勤続加算無し、自己都合退職時の退職金支給率ダウンもあるため、在籍しながらも「第2の人生」へと歩み始めることを促されます。
言葉は悪いかもしれませんが、定年(60歳)までの5年間はその企業における「余生」のようなものでした。
だからこそ、昇進・昇給などがなくとも、不満は少なかったでしょう。
しかし、これは潤沢な年金を受給できた過去には有効でしたが、多くの60歳以上の方々は、定年後・定年後再雇用後も働き続けることが必要な時代になっているため、55歳以降を「余生」としてのんびり過ごすわけにはいかなくなっています。
また、企業内においてもこうした「余生」を過ごさせるような余裕はもうありません。
そこで、まだ一部の動きですが、
・役職定年制→役職任期制に変更
・55歳以降は昇進・昇給しない→昇進・昇給も可能に変更
・退職金の自己都合退職時の支給率ダウン→廃止
ということがみられます。
「一億総活躍社会」が叫ばれていますが、55歳以上は「余生」ではなく「現役バリバリ」という認識にこれからはなるでしょう。
AIやメタバース、DXなど新しいことを吸収するのはむずかしいところもあるかもしれませんが、
少なくとも身体が健康であれば、何らかの仕事は就くことはできます。
すでに亡くなりましたが、筆者の祖母(昭和2年生まれ)がよく「身体さえ丈夫なら何とかなる」と言っていました。
技術が進歩しても、人間そのものは何も変わりませんので、
いざとなれば、今までの経験や自負などはきれいさっぱり忘れて(アンラーニング)、
健康に支障のない仕事をしつつ、新しい「余生」の形を創っていくことが、働くすべての人にとって重要になっていくのだと思います。
こうした近い将来を見据えて、
・役職のあり方
・昇給のあり方
・定年制のあり方
・定年後再雇用のあり方
を検討する時期に来ています。
こうした人事労務に係る制度の設計を弊所は得意としています。
ぜひお気軽にお問い合わせください。